東京女子医科大学 外科学講座 肝胆膵外科学分野
第40回日本肝移植学会 学術集会 集会会長 江川裕人

この度第40回日本肝移植学会 学術集会 集会会長を拝命いたしました 東京女子医科大学 外科学講座 肝胆膵外科学分野 江川裕人でございます。

2022年7月7日(木)・8日(金)の二日間、東京新宿京王プラザホテルにて開催させていただく予定となっております。

今回はメインテーマを「世界の中の日本の役割:基礎研究から社会実装へ」とさせていただき

サブテーマを3つ「抗体関連拒絶」「長期管理」「環境改善」とさせていただきました。

本学会では、末期肝疾患、先天性代謝疾患、劇症肝不全、肝細胞癌患者の根本的治療手段としての肝臓移植に関する学問の進歩発展に資するため

1)肝移植手術とくに生体ドナーの低侵襲手術手技開発、免疫抑制療法、免疫モニタリング、感染防御・肝癌再発回避・免疫寛容のための再生治療や薬物療法、周術期ウイルス肝炎治療、術後NASH予防、移植患者における免疫チェックポイント治療の是非、術後合併症と組織適合性抗原の関連、患者教育に関する研究や

2)後進育成のための教育プログラム構築と生体ドナーの長期ケアー体制の確立をすすめることでより良い肝移植医療をすすめることを目的としています。更に

3)肝臓移植内科医を育成しより緻密な患者管理を目指し、脳死下臓器提供現場における負担軽減と新型コロナウイルス感染リスク低減のための人流削減の取り組みを日本移植学会や日本臓器移植ネットワークと連携して行っています。 このように、本学会の活動は、遺伝子、移植免疫などの基礎医学、組織適合性検査や免疫モニタリングを推進する検査医学、ウイスル感染を始めとする感染予防や肝癌に対する薬物治療や再生医療などの臨床医学、脳死下臓器移植システム改良などの社会医学を含む幅広い分野に及んでいます。

1963年にスターツル先生が世界で最初の、翌年千葉大学の中山恒明先生が日本で最初の肝移植を初めて60年が経ち、脳死肝移植手術手技はほぼ完成されていますが、生体肝移植手技にはまだ発展の余地があります。また、多様性を有するHLAの研究から周術期から長期管理において個別化医療の可能性が見えてきました。今回の大会では、「世界の中の日本の役割: 基礎研究から社会実装へ」というテーマで、肝移植にかかわるすべての職種の人達が基礎から臨床までの研究について議論し成果を共有し、どういう形で社会実装して患者さんに届けるかを討議できる場になるよう準備しております。

今回、中山恒明先生が設立された東京女子医科大学消化器病センター外科(現 東京女子医科大学 消化器・一般外科)が主催させていただくことになりましたのも深いご縁を感じます。

年明けとともに演題募集を開始したいと思います。みなさまのご登録をお待ちしております。

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